2015年1月10日土曜日

ゲージツの区分に入る?アニメを見に

 会期があと3日という,神奈川県近代美術館葉山で行われている「東欧アニメを巡る旅」に行ってきました.

 東欧のアニメといえばストップモーションアニメや,風刺の効いているアニメで有名です.
 公式サイトの情報では全て見ると必ず半日以上かかってしまうというボリュームにおそれを抱きつつ,逗子駅を降り立ちました.
 本来はもっと早く訪れるはずだったのですが,諸般の理由で美術館到着は12時.
 美術館のレストランも混雑していたのでそのまま鑑賞開始.
 広い美術館に点在する画面でアニメが順に放映され,その周囲に解説とセルや背景の原画顔鋳てあるというスタイル.
 体育館の片隅に集まってテレビを見ている様で,最初はかなり違和感ありました.
 でも,見始めると面白いモノで全く気にならなく,自分の後ろに立ち見の人が沢山いても全く気が付かないのです.
 美術館ということですが,50インチプラズマや,20インチのテレビ,ipadで流しているモノもあり小さい画面を囲んでみているとお茶の間感覚で面白いです.
 隣の方がくすっと笑ったり,おお~と感嘆したり,変な一体感も生まれました.

 さて,あまりに長い作品もあるので一部しか放映されていないモノもありましたが,私が気に入ったのは,
 クロアチアは,ポリス・コラール監督の「ブーメラン」
 軍拡への風刺が効いていますが,軍拡を進めて一通り準備が出来て暇になると女遊びを始める指導者の描写が秀逸.

 
 ヨシュコ・マルシッチ監督の「わたしもあなたをあいしています」
 
 1分のショートフィルムなのですが,ナンセンス全開!
 なんだか分からないまま終わってしまい,「いったい何だったんだ」と思わせるところがミソ.
 リビングでくつろいでいると思われる初老の夫婦.
 夫が,「マリア…僕は」と言った途端家が崩れるほどの大爆発.
 再び夫が言おうとしても同じところで大爆発.
 
 
 最後に,「マリア,僕は君を愛しているよ」というと,妻が「わたしもあなたをあいしています」
 と言って終わる.

 ポーランドは,マレクスクロベツキ監督の「ダニー・ボーイ」
 唯一の首のある住人である主人公と,首のない町の人や恋人の話.
 ちょっと怖い話ですが,
 首がある=世界観を持っている,首がない=世界観がないということでしょうか.
 

 同じくポーランドのズビグニェフ・リプチンスキ監督「タンゴ」
 写真を使ったストップモーションアニメなのですが,部屋に出入りしてそれぞれ何かをしていく人がどんどん増えて…
 どんどん増えるのですが,それぞれは絶対ぶつからないように(たとえば同じいすに同時に座るようなことはない)なっており,増えるたびにどうなるのか期待と共に画像に引き込まれました.
 中に全裸の女性が手に何かを持ってきて,クロゼットからワンピースを取って着て,それから手に持った下着を履く,というパターンが出てきたとき,つい,
 「その順番なの?」とつっこんでしまいました.

 
 チェコはヤン・シュバンクマイエル監督の「対話の可能性」(一部)が一番のヒットでした.
 検索したら,やっぱりファンが多いのですね.
 全編もWEBで見ることが出来ました.
http://nicoviewer.net/sm7219200

 1982年公開作品ですが,大変素晴らしい!風刺だけではなく,どうなるのかドキドキしながら見ることが出来ます.
 見ることが出来るモノを全て見たときには午後4時でした.
 昼食を取ることもせず見まくってしまったのでした.
 最後にこの美術館からのながめが素晴らしいと評判でしたので,持参したカメラで夕方の写真を撮って帰路につきました.
 ロケーションが良いのですがその分交通の便は良くはありません.
 4時間以上必ずかかる事が分かっていた私は車で来て駐車料金を気にしたくなかったので電車とバスで訪れましたが、もう少し便が良いと助かるのですが.
16時の景色

 
 
 

12時の景色

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